ラチエン通りもいいね
突然終わりを告げた海沿いのサイクリングロードから、国道134号線を渡ると、そこは「ラチエン通り」でした。
通りの入り口の元パシフィックホテル (今はマンション)と サザンオールスターズの「ラチエン通りのシスター」で歌われたラチエン通りです。
ラチエン通りって良い響きですね。名前の響きからは由来はヨーロピアンなストリートか、花の名前かと思っていたのですが、ルドルフ・ラチエンさんというドイツ人実業家の名前が由来だそうです。
ルドルフ・ラチエン
1902(明治35年)23歳の時に来日し、東京でドイツ製品の輸入業を経営したドイツの実業家。ダイムラー・ベンツ、写真機械などの輸入で大成功を納め、茅ヶ崎の松が丘一帯に 東京ドーム程の別荘を設け移り住んだが、戦後GHQ( 連合軍最高司令官総司令部 )に接収・財産も没収され、敷地内の小さな小屋で 失意のうちに68歳の生涯を閉じた。
ちがさきナビ
昔は桜道と呼ばれ、サザンに歌われ、元パシフィックホテル、東京ドーム大の別荘に住むドイツ人実業家、おまけに通りの入り口正面に烏帽子岩。
俄然興味が湧いてきました。しかしながら、今回の一人旅では、このラチエン通りはほんの少ししか通りません。もちろん振り返って烏帽子岩も見てませんし、写真も最初の通り名の標識だけです(>_<)
興味がわいたのは、ラチエン通りについて調べている今だからです(*´Д`)
まあ、行き当たりばったりの一人旅というのは得てしてこんな感じですね。
前回の一人旅の舞台の一つだった、吾妻神社もそんな感じでした。 「興味をそそる吾妻神社の由緒記 」と書きましたが、その時は「弟橘媛 (おとたちばなひめ )」とか「配祀する」とか「御櫛」とか「ホナカニ立チテ」とか、いまいちピンと来ていなかったのです。
ラチエン通りをちょいと進み、すぐに斜め(辻堂方面)にそれました。前回きめたランチのお店に立ち寄るためです。
曲がりくねった道をゆく茅ヶ崎
Google Mapで確認すると、斜めに真っすぐ行くとお店にたどり着き、なおもまっすぐ進むとJR辻堂駅のやや手前にたどり着く様子だったのです。
しかし、ここからが多くの文豪やアーティストを輩出し、愛し、生活する風光明媚な散歩道でした。
車をこばみ、人とすれ違う時でも肩が触れそうな、曲がりくねった小径
前を通るとアイデアが湧き出そうなポップで個性的でかわいらしい家たち
冬でも小径を彩る緑や花々の近さ
真っすぐのはずなのに小さな分かれ道が絶妙に心を惑わす。
距離にすれば4km弱、ゆっくり歩けば1時間の行程ですが、あっという間の散歩道でした。この章の最初に述べた、車では来にくい(あくまで私にとって)、近くて遠い茅ヶ崎の所以です。
どこの町でもこのくらいの細さは珍しくはないのでしょうが、私の住む平塚市は多分、とくべつ整理が進んでいるのですよ。以前、茅ヶ崎市の生活道路の仕事では、何度も苦い思いをしたのですよ。
線路は続くよどこまでも辻堂
何度も心を惑わされ、「ひょっとしたら海岸に戻ってしまうのではないか」などと、疑心暗鬼になってきたときに、遠くのほうにちらりと動くものが見えました。
線路に当たればもう間違いない。
心に晴れ間は見えたのですが、どんより重たい空からは、ぽつりぽつりと冷たい雫がこぼれてきました。天気予報ではこの雨は明日中続く予定です。
急がねば!
でも、もう辻堂駅は見えています。
ですが、線路沿いの道は、やはり近くて遠い(>_<)
間もなく、西口(北側)に出っぽい歩道橋まで来ましたが、辻堂駅の写真も撮りたい。
辻堂駅は、北側はテラスモールと共に再開発され、爆発的に人も増えたのですが、南側では駅の隣に昭和な景色が残ります。写真を撮っていると中で作業をされているおじさんと目が合いました。
おじさんは「ミヤタサイクルは モリタホールディングス に買収され、今は 「台湾MERIDA」 に売り飛ばされたのだよ」とでも言いたげに私を一瞥し、悲しげにまた視線を手元に落としたのでした。
そんなこんなで、何とか本降りになる前に辻堂駅に到着しました。
エピローグ
最悪の天気予報の中、妻の忘れ物から始まった今回の一人旅。
準備不足で、デジカメの充電と充電用コードを忘れ、水を忘れて旅のコーヒーも飲めず。
海岸線は寒く、途中で行き止まりもありましたが、何とか雨にも当たらず、文豪やアーティストの愛した茅ヶ崎の小径に大いに癒されました。
今回の旅のルート 今回の旅のテータ
歩いた距離:9.52km
歩いた歩数:11,101歩
消費カロリー:892kcal
休憩:2回
途中でランチしたお店は、今回は料理長の失敗のようでした。馴染みらしき客と、スターウォーズの話に夢中になっていたようです(*´Д`)
家に帰ると、妻は「受付の女に冷やかされた」といっていましたが、夕飯は私の大好きなスパイシーなカレーでしたよ。
人のために生きる時、人生はより困難になる。しかし、より豊かで幸せにもなれる。
Life becomes harder for us when we live for others, but it also becomes richer and happier.
アルベルト・シュバイツァー
茅ヶ崎市サザン通りからサザンビーチを抜け辻堂に至る一人旅 完
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